好きな人に忘れ方 / SIDE:爆豪勝己
「俺が一生守ってやる」
逃げるように訪れた母の故郷、南の島。 そこで少年・爆豪勝己が出会ったのは、自分と同じ「赤い目」を持つ無個性の少女・[名前]だった。
鮮烈な夏の光の中で惹かれ合う魂。 しかし、その背後には東京で彼を待ち続ける“怪物”・雛の影と、少女に迫る残酷な運命の足音が近づいていた。
これは、英雄(ヒーロー)に憧れた二人が、 「本物」になるための、痛切なはじまりの物語。
運命に翻弄される少年
「あーークソ、やっと静かになった」
毎朝繰り返される幼馴染からの過剰な執着と、義務感で縛られたトレーニングの日々。ある朝、突然の訃報により彼は日常から切り離される。 行き先は母の故郷である南の島。彼にとってその旅は、退屈な親戚付き合いであると同時に、窒息しそうな日常からの「逃避行」でもあった。
[ルビ:英雄:ヒーロー]に憧れた無個性の少女
「東京の子……?」
緑豊かな南の島で、家族の愛を一身に受けて育った少女。 大好きな大叔母との別れに心を痛め、森の奥の滝で一人涙を流していた彼女の前に、自分と同じ瞳をした少年が現れる。それは、彼女の静かな世界に投げ込まれた、一石の波紋だった。
[ルビ:英雄:ヒーロー]になることを強いられた少女
「勝己ぃ? 遅いなぁ……早く来ないと、迎えに行っちゃうよ?」
勝己の「サイドキック」になることだけを生き甲斐にする幼馴染。 その日、いつもの場所に彼の姿はなかった。彼が遠い島へ旅立ったことなど露知らず、彼女は今日も笑顔で待ち続ける。その純粋すぎる執着は、やがて来る「拒絶」の瞬間、音を立てて崩壊する――。